>もとNHKのアナウンサーYさんのコメント

新人だった頃の私は、15分間のニュースが読めなかった。

下読みを含めれば1時間近く、声を出し続けることになるが、最後にはかすれる声で、息絶え絶えになっていた。

声帯に負担のかかる発声法だったのだろう。そんな私が今では二時間でも読み続けられるようになった。

その体験から言えば、「よい声」をだそうと思ってうまくいったためしはない。

むしろ虚心に、どうすれば聞く人に意味が伝わるかを考え、「伝える」ことに専念することによって、自然な発声法が身についた。

発声は、喉だけではなく、胸やお腹や背中、首の筋肉まで使う全身運動だといわれる。

人間が運動するとき要になるのが腰。

私も「腰で読む」感覚をつかんだとき、自然な発声法をつかめたような気がする。

縷々述べてきたように、「美しい話し方」の決めては、「自然」であること。

だが、それがいかに難しいか。「自然」は、手を拱いて自然に手に入るものではない、努力が必要だ。

私自身も、最近自分の日常会話の録音をきいて、愕然とした。

もっと普段の話し言葉を磨かなくっちゃ。